手のひらサイズの癒し。ガラスで作るダンゴウオの世界

手のひらの上に乗った、透明感のあるガラスのダンゴウオ作品。青い目と少しとぼけた表情が特徴的。
手のひらの上でこちらを見つめるガラスのダンゴウオ。ほんのり色づいた体と、とぼけた表情がたまりません。
ガラスのダンゴウオ。透明感のあるピンク系の色合いで、気泡が内部に浮かんでいる。
ふんわりとした存在感。光を受けて、ガラス内部のきらめきが引き立ちます。
正面に近い角度から見たガラスのダンゴウオ。青い目が左右に離れ、柔らかいガラスの質感が際立つ。
少し首をかしげたような角度に、思わず笑みがこぼれる一枚。小さな命のような、やさしい存在感。
ガラスでできた複数のダンゴウオ作品が並んでいる様子。透明感のあるボディにそれぞれ異なる色味や表情があり、手のひらサイズで愛らしい印象。
それぞれに個性があるダンゴウオたちが、そっと集まったひととき。光の中で、色と表情がふんわりと響き合います。

今回ご紹介するのは、ダンゴウオをモチーフにしたガラス作品です。
私は普段からキルンワークという電気炉を使う技法で作品を制作しています。ガラスの持つ透明感や温かみを活かしながら、ひとつひとつ形と向き合い、命を吹き込むような気持ちで取り組んでいます。

今回制作したダンゴウオは、以前からそのユニークな姿に惹かれていた生き物のひとつ。実際に作ってみたところ、試作ながらとても可愛らしく仕上がったので、制作の流れとともにご紹介させていただきます。


制作手順

① 粘土で原型を作成

まずは粘土で原型を制作します。ダンゴウオの写真や動画を参考に、丸みのある体、お腹の吸盤、意外と大きな口などの特徴を観察しながら造形しました。

特にこだわったのが表情です。少しとぼけたような雰囲気を出したくて、目の位置や大きさにはかなり悩みました。でも、粘土をいじっているうちに自然と「これだ」と思える表情が見えてきて、結果的にとても満足のいく表情になったと思います。


② 耐火石膏で型取り

原型が完成したら、耐火石膏を使って型を作ります。粘土の原型を容器にセットし、その周囲に石膏を流し込んで固めていきます。気泡が入らないよう注意しながら、ゆっくりと丁寧に作業します。

石膏が硬化したら、粘土を取り除いて中が空洞になった型が完成します。


③ 型をしっかり乾燥

石膏型が完成したら、しっかり乾燥させる必要があります。この工程は非常に重要で、乾燥が不十分だと焼成中に破損してしまう可能性があります。私は風通しの良い場所に数日間置いて、ゆっくりと時間をかけて乾燥させています。


④ ガラスを測って型に詰める

型が乾いたら、中に砕いたガラスを詰めていきます。

今回は、クリアガラスをベースに、少しずつさまざまな色ガラスを加えてみました。ほんのりピンクを含め、光の入り方や色の重なりによって、繊細なニュアンスが表れるよう工夫しています。彩色は控えめですが、透明感の中に個性が浮かび上がるような仕上がりを目指しました。


⑤ 焼成(800℃で1時間)

ガラスを詰めた型を電気炉に入れ、800℃で約1時間焼成します。設定した温度で一定時間キープしたあと、徐々に温度を下げていく冷却工程へ。ここまででまる一日以上かかりますが、温度変化をゆっくりと行うことで、作品のひずみやトラブルを防ぐことができます。


⑥ 型を割って作品を取り出す

完全に冷えたら、いよいよ型を割って中の作品を取り出します。この瞬間は、何度経験しても緊張と期待が入り混じるひとときです。

石膏の中から現れたのは、思い描いていた通りの、ぷっくりとしたフォルムのガラスのダンゴウオ。透明感のある色合いに、ちょっととぼけた表情がよく映えています。


⑦ 洗浄・研磨

取り出した作品には石膏の粉が付着しているため、水でしっかり洗浄し、必要に応じて表面を軽く研磨します。この仕上げの工程で、ガラスの透明感や光の反射が一気に引き立ち、作品がぐっと完成に近づく感覚があります。


ガラスのダンゴウオ、完成!

こうして完成したのが、今回の小さなガラスのダンゴウオです。
お腹の吸盤、丸くふくれた体、そしてどこか憎めない表情。それぞれの要素がガラスという素材の中にうまく溶け込んで、想像以上に愛着のある仕上がりになりました。

冷たい素材であるはずのガラスから、温かさや柔らかさを感じていただけたら嬉しいです。これからも一つひとつの作品に心を込めて、自分らしい表現を模索していきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。🐟